子育て
2010.09.01 Wednesday
サイチョウの子育て
東南アジアに住むサイチョウは、体長1mを超えるものもいる巨大な鳥で
すが、ロマンチックバードという風変わりな異名も持っています。
それは、オスとメスが一度ペアになると、その相手と一生を共にするという
習性によるもの。
子育てにおいても、オスがメスの体に合った木の穴を探し出して巣を作り、
そこにメスを入れると穴に蓋をしてしまいます。穴の中で卵を産んだメスは
子どもが巣立つまで外に出ることはありません。その間はオスがせっせと
子どもとメスに食べ物を運び、自分はほとんど食事をすることはないのだそ
うです。
しかし、メスがいる巣の前に若いオスが行列を作っていることがあります。
夫がいない間に若いオスを呼び込んでいるようにも見えますが、もちろん
そうではありません。彼らは子育ての手が足りないときに、手伝ってくれて
いるのです。
よその家の子どものために、エサをくわえた若いオスが3匹も4匹も並んで
いる光景は、とても微笑ましいもの。もし夫であるオスが体力を失い死んで
しまっても、若いオスたちは巣に閉じ込められているメスと子どもたちの
ために、エサを運び続けるといいます。
家族だけでなく、地域の人たちも一緒になって子育てをする。昔の日本のよ
うな習慣が、サイチョウの社会にはあるのです。
株式会社アルファポリス 佐藤光浩著 「寝る前に読んでください。」より
英国紳士
2010.08.28 Saturday
英国紳士とは
明治・大正を代表する数学者、菊池大麓は、イギリスのケンブリッジ大学
で学位を取得し、日本に近代数学をもたらしたことで知られています。
ケンブリッジ大学時代、彼の成績はいつも首席で、地元イギリスの学生たち
は、異国の人間が首席であることに不満を持っていました。そこで、菊池が
重病にかかって入院したときに、成績が次席だったブラウンという学生に、
イギリス人の誇りにかけて首席を取れとけしかけます。入院中の菊池は講義
を受けられないのですから、当然ブラウンが一番になるはずでした。
ところが、菊池が退院した後に行われた試験では、やはり菊池が首席でブラ
ウンは次席だったのです。しかし、なぜかブラウンは満足そうな様子でした。
「よかった。イギリス人の誇りを守ることができた」
ブラウンは、入院している菊池に講義のノートを毎日送り届けていました。
菊池の成績をねたみ、入院したことをチャンスだと考える人たちの中で、
ブラウンは本当の英国紳士だったのです。
株式会社アルファポリス 佐藤光浩著 「寝る前に読んでください。」より